雨の名勝負~競馬編③「雨を走るキョウヘイ」2017年シンザン記念

2017/08/23

2017年のシンザン記念、8番人気“キョウヘイ”


シンザン記念とはダービーや有馬記念よりも格下のG3という位置にあるレースで、1600mを3歳馬が駆け抜ける。

2017年は牡馬のみ15頭が集結した。
皆の期待を背負うペルシアンナイト、アルアイン、タイセイスターリーなど、今思えばそうそうたる豪華なメンバーが揃ったレースであった。

2017年のシンザン記念と聞くと、競馬好きな方はどのようなレースだったかすぐ思い浮かぶだろう。このレースの覇者となったその馬の名は「キョウヘイ」。

このレースにおいて、キョウヘイは期待されていなかった。1番人気でも2番人気でもなく、8番人気というのがその期待値を物語っている。
そんなキョウヘイが唯一味方につけたのが、天候である。そう、雨。レースを走ることになるその日の芝は、メインレースの11レースを迎えるまでに相当の水分を含んでいた。

馬場発表は、重馬場。
グショグショの芝の舞台でこの期待のされぬキョウヘイがまさかの大仕事をやってのけることになるとは、誰が想像しえようか。

キョウヘイの底力と高倉稜騎手の判断


5枠9番からのスタートで出遅れ、最後方からの競馬となったキョウヘイ。

まずこの段階でやっぱりかと思わされる。
しかし、高倉稜騎手の騎乗は見事であった。最内をたち回り、距離ロスをなくし後方一直線。最後方にいたと思われていたキョウヘイは、その時既に上位争いの渦の中に自ら飛び込んでいたのだ。
偶然にも前に壁がなくなり最短距離で伸び、最後は1馬身の差をつけてゴールを突き抜けた。

高倉騎手のレース後のコメントをまとめてみた。

「スタートで他の馬と一緒に出すと力んでしまう為、後方からのレースをした。他の馬は重馬場を苦手とすると思ったが、キョウヘイはためれば伸びると思っていた」ということだ。
高倉騎手にはレース前からキョウヘイが突き抜ける画が見えていたのに違いない、と強く感じるコメントであった。

雨がキョウヘイの名を上げる!?


シンザン記念で成績を残したからといって、キョウヘイが急に強くなったわけではない。実際に、シンザン記念後にはG1重賞NHKマイル、ダービーにも出馬しているのだがどちらも二ケタ着順の惨敗だ。ちなみに、この重賞2レースは晴天、良馬場だった。

雨が降れば必ずキョウヘイは勝つとは言えないが、競馬は何が起こるか分からないから面白い。

もしもこの重賞2レースが大雨の重馬場発表であったとしたら、キョウヘイの今後を左右するレースももしかしたら変わっていたのかもしれない。
キョウヘイの名を歴史に刻んだこのシンザン記念のように。

 
Writer  レニピ編集部

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