雨の名勝負~サッカー編①浦和レッズ初タイトル|2003年ナビスコ杯決勝戦

2017/07/12

Jリーグ創設から25年。
これまで幾多もの名勝負が繰り広げられ、同時に溢れるほどの嬉し涙や悔し涙がスタジアムに降り注いだ。

本シリーズでは、Jリーグを中心に、雨の日におこなわれたサッカーの名勝負や思い出深い試合をピックアップしてお届けする。

 

記念すべき第一回は、2003年11月に開催された、Jリーグヤマザキナビスコカップ決勝戦。
鹿島アントラーズvs.浦和レッズだ。

両クラブともにJリーグ創設時から加盟しているクラブ、いわゆる”オリジナル10”として、長らくライバル関係にあり、同じ赤系統をユニフォームのカラーとしている。

 

鹿島アントラーズは、Jリーグ黎明期から安定した成績を残し、通算タイトル獲得数で他の追随を許さない名門クラブ。
一方の浦和レッズは、タイトル獲得数では鹿島アントラーズの後塵を拝するが、サポーターの熱さや人数、クラブの売上規模などから、日本一のビッグクラブと称されるクラブだ。

 

そんな両クラブは、タイトルを賭けた試合をこれまでに何度も繰り広げてきたが、そのうちの一つが、2003年のナビスコカップ決勝戦。
そして、この試合はその後に続く、浦和レッズの黄金時代の幕開けとなる一戦でもあった。

この2003年の決勝戦を語る前に、どうしても伝えなければならないのは、その1年前の決勝戦のことだ。実は、1年前の決勝戦も鹿島アントラーズvs.浦和レッズという対戦カードで、鹿島アントラーズが強者の貫禄と言わんばかりに、59分に決まった小笠原満男のミドルシュートの1点を守りきり、1-0で鹿島アントラーズが制している。

 

初めての決勝戦という舞台で普段のパフォーマンスが出せなかった浦和レッズにとって、2003年は、初の戴冠を狙う試合であるのと同時に、鹿島アントラーズへの1年越しのリベンジマッチでもあったのだ。
2003年11月3日。決戦の地はもちろん、日本サッカーの聖地・国立競技場。スタジアムの8割近くが浦和レッズサポーターで埋められたこの試合は、試合前から降り注ぐやや強めの雨によってスタジアム全体が靄で包み込まれていた。

そして、その靄を切り裂くような浦和レッズサポーターの「ウォーリアー」がスタジアムを轟かせ、キックオフの合図が告げられた。

90分後、大型ビジョンには「鹿島アントラーズ 0 – 4 浦和レッズ」の文字が映し出されていた。アディショナルタイムに突入すると優勝を確信した浦和レッズサポーターの凱歌「We are Diamonds」がこだまし始めた。

試合終了のホイッスル。Jリーグが始まって10年。ついにサッカーの街・浦和に、優勝トロフィーがもたらされた。

靄に包み込まれた国立競技場には、鳴り止まない浦和レッズコールと、降り止まない雨、そして、止むことのないサポーター達の歓喜の涙があった。

 

Writer  イノネル・ヒデッシ

記事内写真:アフロスポーツ

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