「雨」をテーマにした楽しい実験を、でんじろう先生と一緒に体験する「雨の実験教室」。
3回目のテーマは「はっ水効果」です。
雨に濡れることを嫌がる人は多いでしょう。
そこで登場するアイテムが、レインコートや長靴、雨よけスプレーといったレイングッズたち。
—なぜ、レイングッズたちは雨を防ぐことができるのでしょうか?
今日は、でんじろう先生と一緒に、雨を防ぐ撥水効果の不思議を調べてみましょう。
これまでのおさらい
「雨のもとは水蒸気で、水蒸気のつぶが雲」
1回目は、雨のもととなる「水蒸気」をテーマに、目に見えない水蒸気を見る方法をお届けしました。
2回目は、雲が水蒸気の集まりという仕組みを説明した上で、おうちでできる「雲の作り方」をお届けしました。
みなさんは、目に見えない水蒸気を見る実験や、簡単に雲を作る実験を、おうちで試してみましたか?試していない人は、ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。
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どうして雨を防げるの?
「はっ水効果」について、教えて!でんじろう先生
「雨」を防ぐことができる、「はっ水効果」の不思議を教えてくれるのは、サイエンスプロデューサーとして活躍する、米村でんじろう先生。
科学の不思議を体験出来るサイエンスショーを全国各地で行ったり、ワクワクドキドキする実験動画をYouTubeで配信しています。
今日はでんじろう先生に「はっ水効果」について聞いてみましょう。
でんじろう先生:
最近の雨具、例えばレインウエアは非常によくできています。
昔の「かっぱ」と言われるビニールで出来たものは、雨は防げるけれど、着ることで発生した「汗」、いわゆる水蒸気は発散することができませんでした。
でも、今のレインウエアは非常によくできていて、雨は染み込まないけれど、汗は出すことができる。雨以外のものは、自然と発散できるようになっているわけです。
今日は、どうしてそんな不思議なことができるのか、その理由を試してみましょう。
01 茶こしを使って、「はっ水スプレー」の効果を見てみよう
まとめ
どうして細い網は、雨を通さないのに、汗は通るの?
でんじろう先生:
今回の実験では、細い網状の茶こしに、はっ水スプレーをかけました。
すると、水は網目を超えることなく、こぼれない。これは水の粒が目を通ることができないからなんです。でも汗は水蒸気です。水蒸気はどんな小さな隙間からも出ていくことができます。
この力を応用して、はっ水スプレーやレインウエアが作られているのです。
もっとはっ水効果を見てみよう!
沈まない、網の船
先ほどの「はっ水効果」を応用して、いくつか実験をしてみましょう。
今度は、網の船を用意しました。はっ水スプレーをかけた網の船は、沈んでしまうのか…それとも沈まないのか…。でんじろう先生に教えてもらいましょう。
02 はっ水効果の不思議「沈まない船」
まとめ
どうして船は沈まないの?
でんじろう先生:
今回は、はっ水加工をした網の船を用意しました。ただの網で、それなりの重さがあるものなのに、水の上に浮かべることができます。
それはなぜか…。先ほどと同じように、はっ水加工をしてあるので、水は網目を通ることができません。だから水を弾いて浮くことができるんです。ただし、無理に水を通してしまうと、浸水して沈んでしまいます。このように、きちんとはっ水効果のあるレインウエアを着ていれば、雨の日でも濡れることなく、楽しく過ごすことができます。
もっとはっ水効果を見てみよう!
ロータス効果ってなに?
でんじろう先生:
ロータスとは蓮のことです。蓮の葉っぱは、雨をよく弾きます。それは「超はっ水」と呼ばれるもので、単に雨水を弾くよりも強い力で弾きます。
これは蓮の葉っぱの表面に、非常に細い凸凹があるからなんです。最近のヨーグルトの蓋にも、このロータス効果はよく使われています。
今日は、ロータス効果を用いた布に、はっ水スプレーをかけて実験してみましょう。
03 ロータス効果の不思議
でんじろう先生:
「ロータス効果」というのは、つまり人間がはっ水の仕組みを生み出す前に、雨をはじく仕組みが「自然界」にあったということなんです。植物は水を与えすぎてもよくありません。そこで、効率よく水を弾くという効果が生まれたんですね。
次回は…
みんなが大好きなシャボン玉。
このシャボン玉が、雨の日に遊んだほうが、いろいろな楽しみ方ができることを知っていますか?
雨の実験教室の最後は、雨の日を楽しむ「シャボン玉」の遊び方をお届けします。
お楽しみに!