七夕に降る雨「催涙雨」。涙の裏に潜む真実とは——

2017/07/07

神に収穫を感謝し、星に願いを託す、七夕。
そんな七夕の今日は、少しロマンティックな雨にまつわるエピソードを紹介しよう。

織姫と彦星が会うことの許される、年に1度の日、七夕。
この日に降る雨のことを「催涙雨」と呼ぶことはご存知だろうか。

名前から察するに、雨によって会うことができなかった2人の嘆きを表したように見える「催涙雨」。

しかし、この呼び名には2つの結末がある。

まずは、一般的に知られているであろう七夕の物語の結末がこちら。

7月7日、二人が天の川の淵に立つと、天帝の銘を受けたカササギがどこからともなくたくさん飛んできて翼を広げ、あっという間に橋を作り上げました。二人はその橋を渡ることができたのです。そして二人は一年に一度だけ、この日に会えることができるようになりました。

カササギとは、天帝の使者であり、カラスのような鳥のこと。
中国では、めでたいことが起こる前に現れる動物ともされている。

 

それでは、七夕の日に雨が降った場合、どうなるのだろうか。

天帝は年に一度、7月7日だけ会うことを許し、天の川にどこからかやってきたカササギか橋をかけてくれ、会うことができました。しかし7月7日に雨が降ると天の川の水かさが増し、織姫は渡ることができず、彼女に会うことができませんでした。

なんとも悲しい結末である。

このように、一般的に「催涙雨」とは、七夕にしか会うことのできない織姫と彦星が天の川を渡ることができず、2人が流した涙になぞらえているとされる。
カササギが橋をかけるのは晴れた日だけで、雨の日は天の川の水嵩が増して橋をかけられないのだ。

ということは、7月7日が雨の場合、織姫と彦星は年に1度の逢瀬が叶わないのだろうか。

安心してほしい。実は、この物語にはもう一つの結末がある。

織姫と彦星が天の川をわたり、年に一度の再開を果たすはずの、7月7日。しかし、その日の夜に雨が降り始め、川の水かさが増して川を渡ることができなくなってしまいました。すると、どこからかカササギの群れがやってきて天の川の中に翼をつらねて橋となり、二人を会わせててくれたのです——

こちらの結末では、雨は降ったものの、めでたく織姫と彦星は再会することができている。雨が降るとカササギが飛んできて、橋をかけてくれるという説である。

また、韓国では、雨が降ろうが降るまいが、二人は出会うことができるというのが通説だそう。ただし、同じ日に降る雨でも時間帯によってこのような違いがあるそうだ。

七夕の朝に降る雨……会えなかった1年分の「嘆きの涙」
昼・夕方に降る雨……再開した「喜びの涙」
夜・明け方に降る雨…別れの「悲しみの涙」

一口に催涙雨といっても、その涙には様々な意味が込められているのだ。
(ちなみに、韓国では7月7日にカササギを見かけると、橋をかけに行かない怠け者だとして追い払うことがあるらしい。)

織姫と彦星が流す「催涙雨」。

今年の七夕は、織姫と彦星が出会えるように、雨が降ることを祈ってみてはいかがだろうか。

 

Writer  レニピ編集部

 

 

 

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