作曲家は「雨」が好き?雨をイメージしたクラシック4選

2017/08/07

みなさんは『雨』に対して、どのような感情を抱いていますか?
雨の音でリラックスすることもあれば、なんだか不安な気分になってしまうことも…
映画やドラマでは、登場人物の哀情の比喩表現として使われることも多いですよね。
私たちと同じように、昔の作曲家たちも雨に対して様々な感じ方をしていました。
彼らは雨をどのような思いで受け止め、曲として表現していたのでしょうか。
今回は、そんな雨にまつわるクラシック曲をご紹介します。

 

◎雨だれ フレデリック・ショパン


雨のピアノ曲といえば、この曲を思いつく人が多いのではないでしょうか。
題名の通り、途切れなく連打される変イ音の8分音符が「雨だれ」のように聞こえます。その優美な雰囲気にうっとりと聞き入ってしまいますが、展開部は一変、激しく降りしきる雨を連想させます。この部分は、当時ショパンが背負っていた難病や、豪雨のため恋人が中々帰ってこない心中の苦悶を表していると言われています。

 

◎雨 エルッキ・メラルティン


フィンランド出身の作曲家、メラルティンのピアノ曲集『悲しみの園』第4番より。
北欧を思わせる透明感と繊細で美しい旋律が印象的なこの曲は、きらきらとした雨粒のような音色からはじまります。やがて雨音が激しくなり、不気味でおどろおどろしい雰囲気に。それから段々と雨が小降りになり、雲の合間から陽が差してくるように曲の終わりを迎えますが、「悲しみの園」というだけあり、終始メランコリックな情景を想起させる一曲です。

 

◎雨の日の噴水 ウィリアム・ギロック


ギロックのピアノ小曲集『こどものためのアルバム』より。
思えば、雨の日の噴水なんて中々見たことがないですよね。
無邪気な子どもが、魔法にかけられた「あめ」と「ふんすい」と一緒に遊んでいるような、楽しげな風景が想像できます。前に紹介した2曲とは違い、最初から最後まで明るい曲調で、ゆううつになりがちな雨の日も楽しく感じさせてくれそうな作品です。

 

◎雨の庭 クロード・ドビュッシー


ドビュッシーのピアノ曲集『版画』より。
この曲集は3つの異なる土地を連想させており、「雨の庭」はドビュッシーの母国フランスの庭園に篠突く雨を表していると言われています。というのも、フランス民謡「眠れよ眠れ」「もう森へは行かない」のメロディが隠されているのです。内向的で、あまり感情を曲中で表現しない印象派として有名なドビュッシーですが、この曲からは、愛していた母国を偲ぶ気持ちが伝わってくるように思います。

 

以上、雨を感じさせてくれるクラシック曲4選でした。
いずれの作品も芸術として非常に美しく、生き生きとした雨を感じることができたのではないでしょうか。音楽を通して雨を捉えると、その降り方や情景の違いを実感できますよね。
普段はあまり気に留めることもない雨音ですが、これからは一息ついて、耳を澄ませてみてはいかがでしょうか。




Writer  レニピ編集部

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