ほとんどの動物は雨が苦手
どんなに強い動物でも雨の日は行動を控えることが多い。それは、雨に濡れることで体温が下がり、体力を消耗し、生命に関わってくるからだ。
また、空中の湿度が高くなることにより、自分たちの臭いを遠くまで分散してしまい、他の動物に狙われるという危険性もある。
よほどの空腹でない限り、雨の日の行動は慎重になる動物の方が多いのである。
しかし、そんな中でも強い動物がいる。もちろん雨の好きなナメクジやカエルではない。
それは『ジャガー』である。
ジャガーってどんな動物?
ヒョウやチーター、ライオンなどと遠い意外とマイナーな動物のイメージのあるジャガーだが、一体どんな動物なのか。ジャガーはトラ・ライオンに次ぐネコ科第3位の大きさで、体長は120~185cm、体重は50~150kgほどだ。
その名は『一突きで殺す獣』という意味を持つ『ヤガー』からきているというから、その強さは容易に想像できるのではないだろうか。生息地域である南アメリカ大陸では、ジャガーは食物連鎖の王者として君臨していて、名前の由来の通りパンチ一撃で獲物を仕留めるのだという。
しかし、その強さはパンチ力だけではない。他のネコ科の動物よりも頭部が大きく顎の力も相当なもので、ワニの仲間であるカイマンの頭を噛み砕いてしまうほどだという。ライオンなどは獲物を窒息死させる方法で狩猟するのに対し、ジャガーは対抗する獲物の息の根が止まるまで噛みつき、振り回すという獰猛な狩猟方法なのだ。
また木登りも上手く、木の上で生活する動物も獲物にすることができ、どんな環境でも生きていく力のある動物である。
雨の神とも呼ばれるジャガー
そんなジャガーは、実は古代中米では『雨の神』と呼ばれ崇められており、ジャングルの象徴ともされていた。その由来には、“ジャングルには雨がつきもの”という説がある。
じゃがーは、ネコ科としては珍しく水を恐れず、川や沼の近くを好んで住処にするところも多い。そのため、魚やワニ、アナコンダなど様々な動物を捕食する。また、泳ぎも得意なことから、ワニを水中から引きずり出したり、さらには水中で獲物を仕留めたりしてそのまま食べることもできるのだ。
水を恐れないジャガーは、他の動物がほどんど動かない雨の中での狩りも容易に行うだろう。気配を消して近寄り一撃で仕留めるジャガーの狩猟スタイルをもってすれば、雨の日こそ動きの少ない獲物を狩る絶好のチャンスとも言えるのだ。
水辺を好み、雨でもその能力が衰えることがないジャガー。そんなジャガーこそ、雨の日に最強な動物と言えるのではないだろうか。
Writer レニピ編集部