今人気のドローンは雨への耐性はあるのか!?

2017/06/14

最近何かと、巷を騒がせているドローン(小型無人機)。元々は軍事目的で開発されたが、現在は、社会の様々な場面での利用を想定し、農業、測量、写真や映像撮影、災害調査、宅配、警備などの分野で研究が進められている。機能は日進月歩で進化し、AI(人工知能)なども活用されている。技術のみではなく、その技術をうまく活用できるような社会構造の変革もあわせて必要になる。現在の法律だと、ドローンを空に飛ばすのに、様々な障壁があり、課題は多くある。

また、民間で一般的に売られているものは、基本的防水、防塵機能が備えられていないタイプが中心で雨天での飛行には向かない。ドローンのパーツには外気と接する部分が多くある。フライトコントローラー、姿勢を制御するジャイロセンサー、気圧センサーなどは機能上、密閉することが困難だ。本体にも熱がこもらないように、排熱する隙間があり、浸水しやすい構造になっている。

砂や埃に関しては、飛行中はさほど心配はいらないが、着陸の際などに、砂がモーターに入ると、故障しやすくなる。砂浜などでは特に注意が必要で、砂埃の立たない離着陸地点を確保するのが得策だ。

ラジコンのように趣味程度で飛ばすなら、雨や埃をさければそれでいいが、経済活動の中で活躍してもらうには、雨の日も風の日も飛んでくれるのが理想だ。

DJIの「ドローンWInd1」は、産業やセキュリティ目的での利用を想定して開発されたドローンで、一般的に販売されている今までのドローンと大きく異なるのは、雨風などの悪天候でも、飛ばすことが出来る点だ。

価格は日本円にして百数十万円で、決して簡単に手に届く範囲ではないが、事業者が雨の日も稼働できることを考えれば、利点は大きいだろう。また大雨などの災害時でも活躍できるので、被害状況の把握のための視察飛行の際に、防災ヘリコプターを飛ばすことを考えれば、ずっと経済的ともいえる。

今までドローンの天敵だった「雨」を降らせることの出来るドローンというのも登場している。干ばつ地域などで、人工的に雲を生成し、雨を降らせる目的で開発されているもので、米国ネバダ州で初飛行に成功した。

ヨウ化銀を散布することで雲を生成し人工降雨をさせるのだが、従来は飛行機、大砲、ロケット等でヨウ化銀やドライアイスを散布していたものが、ドローンならより手軽になり、世界各地の干ばつに苦しむ地域で、人工降雨を可能にするドローンが一気に普及する見通しがついた。テクノロジーの進歩は目覚ましく、ドローンもどんどん進化し、私たちの生活にイノベーションをもたらすのは言うまでもない。

 

Writer  レニピ編集部

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